2015年7月21日火曜日

G.Kのカセットを聴く!①



四半世紀を超えるオイラのインドネシア音楽人生において、こんなにもガンバン・クロモン(以下G.K)のカセットを聴くことは今までに一度もなかった。

オイラがJKTで手当たり次第カセットを漁っていた90年代初頭、メジャーなカセット屋では、すでにG.Kの古いカセットはほとんど店頭から姿を消していた。G.Kを専門的に録音してきたレーベル、PARAGONでさえ、運がよければ一本あるかないかだった。ブタウィ文化の象徴的な大衆音楽のG.Kのカセットがこれほどまでに入手できないJKT、時はダンドゥット全盛期だったとはいえ、納得が行かなかったのを思い出す。

G.Kのカセットが量産されたのは、レコードからカセット・テープに移行した70年代後半と想像する。しかし、いかんせん、マーケットが狭すぎる。ブタウィ人相手のビジネス。既にJKTはコスモポリタン化していた。地方から様々な人種が流入した時代、採算あわず消えていくレーベルもあって当然だったであろう。

では、90年代にG.Kのカセットが発売されなかったのか、というとそうでもない。が、良質なG.Kのアルバムは思い当たらない。そもそもG.Kという音楽はレノン・ブタウィと一緒に聴く&楽しむ音楽であった。それを聴く音楽に押し上げたのがベニャミンであったであろう。四六時中、ライブはおこなわれていただろうし、何もカセットをわざわざ買って聴く音楽でもなかった。いや、現在でもそうした大衆音楽なのかもしれない。ただ、オイラ達みたいに現地にいない立場の者にとってはカセットという媒体がなければ、この音楽にズブズブとハマれないのだ。

今回、プランテーションさんから購入させていただいたG.Kカセットの数々。殆どが70年代後半~80年代前半のものと思われる。当時の息づかいが聴こえる痛快なカセット群で何とも魅力的であるのだ。

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