2014年12月31日水曜日

2014 ベストアルバム


基本、今年入手したもの。新譜旧譜は問わず。

今年もあい変わらず、トルコ~ギリシャものをよく聴いた。トルコ女性歌手の新譜は毎日ネットで調べている。20年以上前はアフリカ、カリブ周辺を熱心に聴いていたのに、えらい違いだ。この二つの国の音楽には「伝統回帰しながらもモダンさを醸し出す歌世界が存在する」から目が離せないのだ。しかし、女性歌手しか興味がないくせに、ベスト・アルバムになるとムサイ男どもが名を連ねる。音楽って不思議だよなぁ、オイラの音楽嗜好はどうなっているのか、自分でもわからなかったりするのだ。若年性認知症の疑いがあるかも..

① LEONIDAS BALAFAS / APILIOTIS




 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 


断トツでしょう!ハリスの14年作は今一つで買わないのに、こんな知らない奴の2CDがベスト1なんて信じられないぐらい引き込まれた。野郎がやるレベーティカ現代風最高峰だね。ギリシャでの評価も高いらしい。ダラーラス以外の男性歌手にうつつをぬかすとは。大した歌唱力でもないのにバックの演奏との交わり具合が最高だ。

②HK / HK presente Les Deserteurs
③Meryem Zengin  / Ir"Ozur Dilerim”
④V.A、『Girizgâh, Alaturka Records』

②を第二位にするワールド・ファンは多いなぁ、オイラもだけど。つまり断トツの一位があるってことだよな。③④は今年も何とか良質なトルコものCDを見つけられて安心した。特に④は大好きなYaprak Sayarの音源がCD化されてるのは、これともう一枚のV.Aものしかないのでよく聴いた。




 
 

 
⑤Irama Jazz / Indoneian Jazz of the 1950s.Nick Mahit & Irama Trio and more.
 
個人的にはIrama Trioのブンガワン・ソロも入れた欲しかったが、次作に期待したい。馴染みの曲も何曲かあったが、しらない曲も多く楽しめた。当時のインドネシアのミュージシャンのレベルがいかに高かったかを世界に知らしめた傑作だ。本国のコレクターはポルカ・ドットレコードを見習わないと自国の素晴らしい音楽文化を消滅させてしまうぜ!
 
⑥ESTOUDIANTINA NEAS IONIAS & YIANNIS KOTSIRAS / I SMYRNI TOU EROTA
⑦VINICIO CAPOSSELA / REBETIKO GYMNASTAS
⑧ loxandra2012
 
⑦はよく聴いた。マーク・リボー参加。こうなるとライ・クーダーのレベーティカ解釈のアルバムも聴きたくなってくる。
 
⑨Kroncong Jaipng 2 Nada Betawi
 


クロンチョン・ジャイポンは90年代も一時ブームになったことがあるが。あの時のような安っぽいものとは違う。格調高くそれでいて濃密、しかもブタウィ色がにじみ出ている傑作だ。Vol.1もあるのだろうか。是非、聴きたい。
 
 
➉泉ちどり / 緋ざくら神輿
 
とにかく今年は津田耕次と泉ちどりのレコードを必死に探していた。泉は女版津田耕次だ。東京出身なのでぎこちない関西弁が病みつきになったこのレコ。ネタもよく楽しめた。任侠ものからなんでも来い!2015年もこの二人にハマっていきそうだ。
 
なんだかんだ言って、トルコ~ギリシャ~インドネシアをぐるぐると廻っていたような2014年。2015年はもう少し幅広く世界の音楽を聴いていきたい!


 

 





 



 

2014年12月18日木曜日

ロカナンタ・レコードへ行く!



ロカナンタ・レコードにデッド・ストックを漁りに行ったのは93年のようだ。ミュージック・マガジン93年12月号「レターズ」にオイラ、こんな投稿している。

「ワルジナーのレコードを探して」

僕が初めてワルジナーのカセットを聞いたのが、デイアン・レコードから出ている”Gleca-Gleceという作品で5年ほど前の話。クンダン、シンセが醸し出す超ファンキーなスタイルと彼女の歌声に完全に虜になってしまった。それ以来、彼女の名前や写真が載っているカセットを血眼になって探して回り、現在に至っている。

しかし、僕は彼女のレコードを1枚も持っていないことにふと気づいた。そんなおり、友人からロカナンタ・レコード社に彼女のレコードのストックがあり即売してくれるとの情報を聞き、会社の夏休みを利用して空路ソロへ。

ソロの町並みは非常にゆったりしていて、いかにもクロンチョンやランガム・ジャワが似合う雰囲気だ。ロカナンタ社は、中心街からバスで数分の所にあり、広い敷地にスタジオを完備している。運よく僕が足を運んだ時、ガムラン(・ジャワ)演奏の録音中で見学をさせていただいた。

さて問題のレコードだが、事務所の方に「ワルジナーのレコードを買いに来た」と説明すると別室に案内され、ロカナンタ社の膨大なカタログを見せられ、ワルジナーのレコードに的を絞ってきた僕も一瞬戸惑ってしまった。

今回見せていただいたカタログは大半がクロンチョン、他にムラユー、スマトラ等々、色々アイテムがあり、ジャンルが表記されているのでとても見やすかった(ちなみに25cm盤はARI,30cm盤はBRIの後に番号が来る)。僕がそのカタログで探せたワルジナーのレコードは以下の通りです。

①Lokananta ARI054
② 同    ARI119
③ 同    ARI127

以上3枚。この他にLokananta Recordingと表記された”Entit"と”Katju というLPがあったが、こちらはすでにテープで購入済みなので今回はパスした。

①は”Rangkaian Lagu Lagu Krontiong Baru”と題されたコンピレで、ワルジナーは”Kenanga Bunga Harum Mewangi"という曲をラジオ・オルケス・スラカルタのバックで歌っている。今回購入したレコードの中で一番番号が若いので初期の作品か確かめたかったのだが、僕のインドネシア語では無理でした。

②もコンピレで、ワルジナーは3曲歌う(うち1曲は、アンジャル・アニイが作者でクレジットされてる)。他にS.Bektiという人が3曲、Ratmantoという人が2曲で全8曲。

③は中村とうようさんが、オーディオブック「クロンチョン入門」でジャケット掲載で紹介されていたもの(①はジャケなし)。

なかなか入手困難だった初期の作品を聞いてみて、あらためて彼女が素晴らしい歌手だと再認識したし、現在の彼女と比較することが無意味だと分かったような気がします。

ロカナンタ社へ行った帰りに彼女の家を訪ねたところ、ジャカルタにレコーディング中で留守とのこと。まだまだ現役で頑張ってますし、”Langam Jawa '93という新譜もだしていました。

21年前、当時32歳かな。インターネットなんかない時代、自分の得てきた情報を多くの人に知ってもらいたい気持ちで一杯だったんだろう。青いなぁ。その後、ロカナンタのレコードは、どっと日本に入ってきた。オイラの投稿がきっかけでもなんでもないけど....
















2014年11月17日月曜日

JAKARTA ART & CULTURE COLLABORATION PERFOMANCE 2014



昨夜、JAKARTA ART & CULTURE COLLABORATION PERFOMANCE 2014なるイベントを観てきた。この種のイベントを日本で何度も観てきたが、格段の差を見せつけられた素晴らしい内容だった。

ジャカルタ首都特別州舞踊団によるインドネシア地方舞踊のメドレーは、衣装、踊りともかなり統率がとれた完璧なプロ集団を感じさせてくれたし、ヘディ・ユヌス、ウビエト、という二人の歌手も自前の曲を歌うのではなく、舞踊とともに溶け込んだ歌を披露してくれた。また、演奏を受け持ったアルタジャル・アンサンブル総勢約20人、多彩な楽器を駆使して、時には見事なパフォーマンスをも繰り広げてくれた。

編成がまた超ユニークだ。パーカッション類が、グンダン(横長)、ジェンベ、ダブルッカ、を中心にドラムが引っ張っていく、時にはルバーナが登場したりのムラユ色が濃厚に出ていた。もっと驚いたのが、アコーディオンが二人いたことだ。シンセなんてチープな楽器は使わない、そんな心意気にオイラは東名汁がでた。弦楽器がルバーブが4~5人、ヴァイオリン1人、電気ベース1人、これにホーンズ(トランペット2人、トロンボーン1人)、スリン(縦と横)、小編成のゴング類(だいたい、こんな感じ、すこし酔っていたので後は覚えていない)の醸し出す演奏はエスニック・フュージョンなんてつまらない言葉ではかたずけられない高揚感があったのだ。

しかし、最初に登場した歌手、ヘディ・ユヌス(上記写真)かっこよかったなぁ。オイラは10年くらい前にジャカルタの彼の家に遊びに行っているのだ。その後、クスリに手を出し、どん底だったけど、見事に復活していてオヤジはうれしいよ。会場にはカヒットナ・ファンもいたみたいだけど、このコラボに徹したヘディをオイラは高く評価してる。


 

 
衣装をカジュアルに変えてのヘディ・ユヌス。黒縁メガネをかけて宮川大輔みたいになっちゃたけど、これはこれで愛嬌があった。
 
 


一方のウビエトも日本のワールド・ミュージック・ファンに評価が高い斬新なクロンチョンアルバム「KRONCONG TENGGARA」からの曲を披露するのではなく、この企画に徹した歌を披露していた。インテリ歌手のイメージが強かったが、少し話して、そのイメージが薄らいだ。次のアルバムはこうしたコラボから得たものを活かしてほしい。


 
 
オイラの好きなミナンカバウのタリ・ピリン(皿踊り)も斬新にアレンジされたいた。バックのゴング奏者がタレンポン(ミナンカバウのゴング)の小さいのを叩いていたのは、驚いた。こういうところも手を抜かないのがこのバントの素晴らしいところだ。


舞、歌、奏が一体となった素晴らしい一夜だった。来年の公演も噂されている。是非、実現させてほしい。

2014年5月16日金曜日

幻のレーベルP2SCを追え!



昨今、インドネシアのレコードが高騰しているようだが、オイラはあまり気にしなくなってきた。なぜならインドネシアのポピュラー音楽はカセット時代のほうが抜群に面白かったからだ。70年代、レコードからカセットに移行して爆発的に普及したのは、ソフトの手軽さもあったが、レコードに比べ、レコード会社もコストがかからないカセットの普及で百花繚乱のレーベルも登場した。特に地方ポップスは顕著であった。中には「一発当ててやろう」なんて製作者の魂胆見え見えの作品も多くあったであろう。

現れては消えゆくカセット・レーベルにあって、一つの異端なレーベルがP2SCであった。何せインドネシアでも有名なクロンチョン歌手のワルジナ(何度も言うがワルジーナのカタカナ表記はおかしい)にレゲエ・アレンジのポップ・ジャワを歌わせてしまうのだから。このカセットが制作されたと思われる80年代初頭、確かに世間はレゲエに向いていたかもしれないが、インドネシアではそれほどの情報もなかったであろうし、なんでワルジナなのか、その発想がユニークである。ワルジナもワルジナで、そういう企画に「私はクロンチョン歌手なんだからこんなアレンジの曲は歌えない」なんて全く言わないところが懐の深さだ。そして、これまたすごいのが、そのカセットをCD化してしまう日本人。Sublime Frequenciesの30年先を行っていたのだ。このレーベルでのワルジナの異端企画はこれで終わりではなかった。クロンチョン・ダンドゥットのナイスなカセットもリリースしている。もちろんそんな企画ばかりではレーベルは続かないだろう。

インドネシアに行くたびにこのレーベルのカセットを探してきたが、ほとんど見つからない。他にどんな作品が出ているのか、ムチャクチャ気になる。もしかしたら「ケケ・レゲエ」を超える作品があるかもしれない。そう思うと今すぐにでもインドネシアに行ってカセット探しをしたくなるのである。



25年以上もインドネシアのカセットを買い続けているのに、このレーベルのカセットは上記のワルジナを合わせてもたったの6本。オイラにはほんとに幻のレーベルである。早くに倒産したのか、わからないが、いずれにしてもなんとか一本でも多く入手したい。




これだけ、カセットのラベルがあるのならそれなりの本数は出ていたと思うのだが...

参考音源
 

2014年4月20日日曜日

エル・スールレコーズ隅々見聞録 3 カセ男がやってきた!



エル・スールレコーズの顧客、オヤジーズの中ではカセットのコレクションは一番多いのがカセ男だろう。噂では2000本のカセットを捨てた男、いまでもカセットウォークマンを4台も所有している。常に鞄の中には数本のカセットが入っている。伝説の男なのだ。

そのカセ男がエル・スールレコーズの秘密の花園と言われているカセット籠に手を伸ばしているところをオイラは偶然キャッチした。アジアCD棚の下のほうにあるこの花園、相当のカセマニアしか手を伸ばさない場所だ。ふつうのカセファンならとうに知っているアイテムも多いし、もはや荒らされてナイスなカセがないと考えられるからである。しかし、カセ男は違った。自分が捨ててしまったカセに憐れみを感じてか、持っていたカセを買いなおしたり、同じカセを2本もっていれば誰かとトレードできるかもしれない。といったおよそ普通のマニアでは考えられない理由からこの花園を覗いていた。そのイキイキした姿はまるで無邪気な子供のような姿であった。果たして購入したカセをきくのか、いや、4台のカセットウォークマンを駆使して数日間で聴いてしまうのだろう。そしてカセ男はまた、カセのあるところに出没するのだろう。電車の中、街中、ほか、カセットウォークマンでウキウキしている男がいたら、それはきっとカセ男だろう。
 
 
 
 
 
今回のカセ男の戦利品。タイとインドネシアに二分された。特にピンパーにはずいぶんと思い入れがあるようだった。大半が捨ててしまったブツのようだ。インドネシアものはほとんどが地方もの。カシーダの女性グループ、ナシダ・リアのカセを買う人は今や、日本ではカセ男しかいないだろう。どこまでも自分のカセ魂を貫くカセ男、今、エル・スールレコーズ顧客の中で一番熱い男だ!

2014年4月12日土曜日

エル・スールレコーズ隅々見聞録 2



4/11日、カセ男とインドネシアカセット情報交換飲み会があったので、待ち合わせのエル・スールレコーズへ行く。今年のワールド注目盤であるHK presente LES DESERTEURS が入荷していたので当然ゲットする。カセ男がくるまで時間があったので、サラームの本をよむ。実はエル・スールに来てはこの本、チョコチョコと読んでいた。面白い写真も多く半分は読んだかな。「買えよ!」てね。

 
 
 
少しすると店長が「いいジャケありますよ」と上記写真ジャケを出してきてくれた。あれ、見たことないジャケ、CRAZYといえばSOCAやん、見たことなかった。月曜店番のコンピューマがらみのレコのようだ。コンピューマはSOCAを聴いていたらしい。オイラも90年代、SOCA命の時期があってムチャクチャSOCAのレコを買っていた。な〜んだ、知らなかった。今度、月曜日に行ってコンピューマとSOCAの話しようっと。しかし、いいジャケだ。時代を反映してスーパーカー(なんて車かしらない、どうでもいい)にハイレグのお姉さんがお尻のところにマイク近づけて、オならでもするんかい。Drive Itという曲とどう関係あるのか試聴してみたがわからなかった。レストン・ポールのアレンジで懐かしい音が聞こえてきた。
 
 


 

カセ男が来るまでまだ時間があったので、エル・スールレコーズの七不思議の一つ。クール・ファイブのレコは何枚売っているのか調べてみた。店内で飲み会があると酔った店長が必ずクール・ファイブのレコをかけるのだ。「どんだけあんねん!」と気になっていたのだ。ダブりもあったが13枚。ワールドミュージックを専門に扱っているレコードショップでクールファイブのレコがこれだけあるのは世界的にみてもありえないだろう。なんとも不思議なレコ屋なのである。
 
 
 
 
7時過ぎカセ男がきた。貸してくれたカセ。見たことないものばかり。特に下段中央のoud持ってるジャケがかわいかった。下段左のクリニンガン・ダンドゥットもメチャ気になる。全部女性というのもオイラむきで、聴くのが楽しみだ。ありがとうカセ男!!!

 

2014年4月6日日曜日

エル・スールレコーズ隅々見聞録 1


オイラがエル・スールに頼んでおいたトルコの美人歌手、メリエン・セングンさんが入荷したというので夜勤明けの疲れた体にムチ打って彼女に会いに行った。すでにPVではその素晴らしい容姿&歌声を披露していた彼女だが、どうもCDの地味なジャケがイマイチだった。が、裏ジャケはかわいいではないか!ますますファンになりそうだ。今年のトルコものでは断トツでしょう!トルコ女性歌手の層の厚さ、ギリシャを凌ぐ勢いがあって、やはり目が離せない。

 

MM誌、ワールドベストアルバムに登場してきそうな3枚。実はオイラは一枚も買ってない。いや、今後も買う予定はない。20年前なら3枚とも購入しているだろうが、エル・スール顧客の中でも1,2を争う低所得者のオイラにこの3枚を買う余裕はない。アフリカ歯垢が薄れてきたのかもしれない。唯一の女性のキジョもミリアム・マケバが好きなら買うでしょ、と店長に言われたが、ミリアム・マケバといえば中学の時に「パタパタ」をなぜかフォーク・ダンスで踊った記憶、好きな女の子と踊れなかった悪い思い出しかない。まぁ、そのうち聴くだろうこの3枚。
 
 
 


ナイジェリア、富士のCDが入荷していた。御大が日本に来て富士を見たのはナイジェリアでは有名な話らしい。店長に聞いて初めて知った。試聴しなかったけど、気になるCDだ。
K1の知らないブツもいろいろと入荷していた。さすが、オヤジになったなぁ、アホ顔のジャケも多くなってきた。店長は違うジャケをすすめたが、オイラはこのジャケ。どこかフジ山寛美ぽい、右のジャケが好きだ。

 

アジアのLPコーナー見てたらこのレコ発見!状態もよく、メチャほしかったけど....聴いてみたい。



レコジャケ会話学のジャケまであるエル・スールレコーズ。コロンビアのレコのようだ。
「オイ、どうすんだよ、」「いや、俺、しらないよ」「お前いくの」「いやいやお前行けよ!」
どう見てもこの女聴いてるだろ!右手でお尻隠してるやん!いや、「どっちでもいいから早くしてよ!」と思っているのかもしれない。